マーケティングニュースまとめ(2026年1月21日〜1月27日)

マーケティングニュースまとめ(2026年1月21日〜1月27日)

マーケティングは、広告の配信面が広がる動きと、生成AIによる検索・購買行動の変化が同時に進んでいます。中小企業経営者が押さえておくべき重要なニュースは、①Yahoo!広告のABEMA配信、②生成AI経由流入の急増、③EC向けCRM・メール基盤の標準化、④自社サイトへのストーリー/リール型導入、⑤検索のパーソナライズ強化です。

それぞれ、集客だけでなく「買ってもらう」「繰り返し買ってもらう」までを強くするヒントになります。自社に当てはめながら、ポイントを整理していきましょう。

目次

1. Yahoo!広告のインストリーム広告が「ABEMA」に配信対応、CTV活用が一段と現実的に

概要

LINEヤフーは、Yahoo!広告の「ディスプレイ広告(運用型)」にあるインストリーム広告で、動画配信サービス「ABEMA」への配信受付を開始しました。インストリーム広告は、動画番組の途中などに動画広告を出せる仕組みで、スマホだけでなくPCやコネクテッドTV(ネット接続テレビ)にも配信できます。最短で1月28日から、審査が完了した広告から順次配信が始まる予定です。配信期間、番組ジャンル、ターゲティング条件、動画秒数などをDeal単位で設定できる点も特徴です。Yahoo!広告では、2025年9月からインストリーム広告を提供しており、今回の配信先拡大で選択肢が増えました。

中小企業への影響

「テレビっぽい動画広告」は大手のもの、と思われがちですが、運用型で配信先が増えると話が変わります。ABEMAのように視聴時間が長い媒体では、短い静止画広告よりも“理解してもらう”余地が大きいからです。とくに、サービス内容の説明が必要な業種(士業、教育、リフォーム、BtoBなど)は相性が良い一方、動画制作のハードルや、視聴者に刺さる訴求の設計が必要になります。さらに動画は、同じ素材を見せ続けると飽きられやすいので、一定期間ごとに差し替える前提で運用設計を組むと安心です。

経営者の視点

まずは「動画広告=高コスト」という先入観を外し、短尺で“何が得られるか”が伝わる素材を小さく作るのが現実的です。ポイントは、①最初の数秒で結論(ベネフィット)を言い切る、②ターゲット別に2〜3パターン作る、③配信後に“最後まで見られたか”と“サイト行動”をセットで確認する、の3つです。CTVは「家族で見られる」「音ありで見られる」場面も多いので、字幕や大きめの文字を入れて、内容が一瞬で理解できるように整えておくと成果につながりやすいです。あわせて、番組ジャンル指定などでブランド毀損リスクを減らし、最初は“認知→指名検索→問い合わせ”の流れで成果を測ると判断しやすくなります。

参考リンク

MarkeZine:Yahoo!広告 ディスプレイ広告(運用型)インストリーム広告、「ABEMA」への配信受付を開始

2. 生成AI経由の流入が小売で693%増、AIが“新しい集客口”になり始めた

概要

アドビのレポートによると、生成AI経由のトラフィックが複数業界で増えており、とくに小売・旅行で伸びが目立ちます。小売では、2024年10月比でAI経由訪問シェアが1,151%増に達し、2025年11月1日〜12月31日の期間では、生成AIから小売サイトへの訪問数が前年同期間比で693%増加しました。さらに、AI経由のコンバージョン率(CV率)は非AI経由より31%高く、1訪問あたり売上もAI経由が非AI経由を33%上回ったとされています。

中小企業への影響

これまでの集客は「検索→自社サイト」が主流でしたが、そこに「生成AIの回答→自社サイト」という導線が増えています。しかもAI経由は、すでに“買う気がある”人が来やすく、CV率や売上が高い可能性がある点が重要です。一方で、AIが参照する情報が古かったり、誤って解釈されたりすると、間違った期待を持った来訪が増えるリスクもあります。また、AI経由の増加は、広告だけでなく、商品説明やFAQ、比較情報など「理解を助けるコンテンツ」の質が成果を左右する、というメッセージでもあります。情報が整理されていないサイトは、AIが拾いにくく、結果として機会損失になりがちです。

経営者の視点

まずは「AIから来る人が増えたか」を把握し、数字で判断できる状態を作りましょう。具体的には、アクセス解析で参照元にAI関連のドメインやリファラーが増えていないかを定点観測し、増えているなら、①よくある質問(価格・納期・保証・解約など)をページに明記する、②“比較される前提”で強み・弱みを正直に書く、③商品名やサービス名の表記ゆれをなくす、の3点から整えるのがおすすめです。加えて、問い合わせフォームの入力項目を減らす、在庫・料金・キャンペーンの更新日を表示する、といった“最後の一押し”の改善がCV率に効きます。AIに選ばれることはゴールではなく、来訪後に迷わせない設計が成果に直結します。

参考リンク

Web担当者Forum:AI経由のトラフィックが急増中! 小売業界は訪問数693%増、CV率31%増〖アドビ調べ〗

3. futureshopがCRM・メールマーケ基盤を標準化、LTV重視の「次の打ち手」を持ちやすくなる

概要

EC構築プラットフォーム「futureshop」を提供するフューチャーショップは、CRM・メールマーケティング基盤「future Scenario Cast」を2026年4月から提供開始すると発表しました。既存のCRM/MAツール「DATA CAST for futureshop」を基盤にしたOEMで、futureshopの管理画面からシームレスに利用できます。専門知識不要のHTMLメールエディター、セグメント配信、効果計測、ステップ配信や行動起点のシナリオ配信、メール・LINE・郵送DMなどのクロスチャネル対応が中心機能です。配信通数に応じた料金体系(例:5,000通まで0円など)も示されています。

中小企業への影響

新規獲得コストが上がる中で、既存顧客を育てて売上を積み上げる(LTVを上げる)ことは、規模の小さな企業ほど重要です。ただ現場では「メルマガ一斉配信止まり」「施策が続かない」「ツールが難しい」といった壁が出やすいのも事実です。標準機能としてCRM/メール運用を始めやすくなると、購入後フォロー、休眠掘り起こし、誕生日・記念日など、少人数でも回せる施策が回りやすくなります。一方で、配信できるようになっただけでは成果は出ません。誰に何をいつ送るかの設計が要になります。

経営者の視点

まずは「やることを増やす」のではなく、売上に直結しやすいシナリオを1つだけ作るのが成功の近道です。たとえば、①初回購入の翌日に使い方を送る、②7日後に人気商品の使い分けを送る、③30日後に関連商品を提案する、のように、購入データを起点に段階的に案内します。返信が来る導線(LINEで質問できる、など)を用意すると、顧客理解も進みます。経営者としては、開封率より「再購入率」「解約率」「レビュー件数」など、事業指標に直結するKPIを先に決め、施策を継続できる体制をつくることが重要です。

参考リンク

ネットショップ担当者フォーラム:フューチャーショップの新サービス、EC事業者向けCRM・メールマーケティング基盤「future Scenario Cast」とは

4. ストーリー/リール型コンテンツを自社ECへ、SNS的UIで回遊とCVRを押し上げる選択肢が増えた

概要

フューチャーショップは、ECプラットフォーム「futureshop」と、ストーリー・リール型コンテンツを自社サイトに実装できるデジタルコンテンツプラットフォーム「storeeel(ストリール)」の連携を開始しました。futureshop利用企業は、専用タグを1つ設置するだけで、SNSのようなUI/UXでストーリー型・リール型コンテンツを自社サイト上に表示できるようになります。ECサイトだけでなく、コーポレートサイトや採用・教育サイトなど幅広いWeb媒体での活用も想定されています。GA4連携による効果検証に対応する点も特徴です。

中小企業への影響

SNSで商品を見て、気になったら購入する、という行動が一般化し、「写真+短尺動画で“体験を想像できるか”」が購買に直結しやすくなっています。自社サイト側の表現力が弱いと、せっかく集客しても離脱しがちです。ストーリー/リール型の導入は、商品説明を長文で読む前に「使用感」「サイズ感」「比較」を短時間で伝えられるため、回遊やCVR改善の余地があります。一方で、動画を置けば自動で売れるわけではありません。撮影・編集の工数、更新頻度、どのページに出すか、どのコンテンツが売上に効いたか、の運用設計が必要です。

経営者の視点

小規模でも成果を出すコツは、撮影を“制作物”ではなく“業務”として回すことです。たとえば、①売れ筋上位10商品だけを対象にする、②1本15秒で「悩み→使い方→結果」を固定フォーマット化する、③スタッフがスマホで撮る前提で撮影ルールを決める、のように仕組みに落とします。さらに、トップページに出すのか、商品詳細に出すのかで効き方が変わるので、まずは1パターンに絞って検証しましょう。GA4で「視聴→商品詳細→カート」までの流れを見て、伸びた型だけを増やすと無駄が減ります。導入検討時は、運用担当が1人でも回るか、外注コストをどこまで許容するかを先に決め、継続できる形で始めるのが安全です。

参考リンク

ネットショップ担当者フォーUM:フューチャーショップの「futureshop」、デジタルコンテンツプラットフォーム「storeeel」と連携

5. Googleが「パーソナルインテリジェンス」発表、個人データ連携が“提案型マーケ”を加速させる

概要

Googleは、検索のAIモードにGmailとGoogleフォトを接続し、ユーザーごとに最適化した回答や提案を返す新機能「パーソナルインテリジェンス」を発表しました。ユーザーがオプトイン(同意して有効化)すると、Gmailの予約・購入確認メールや、Googleフォトの旅行写真・購入商品の写真などを参照できるようになり、文脈に合わせた提案が可能になります。例として、旅行予定や好みのブランド傾向を踏まえてコートを提案するなど、“パーソナルショッパー”的な体験を示しています。まずは米国の個人アカウントで、特定の有料プラン加入者向けに英語環境の実験機能として提供されます。

中小企業への影響

検索が「調べる」から「提案してもらう」へ寄っていくと、顧客が比較検討する画面が変わります。つまり、商品ページで頑張るだけでなく、AIに“提案材料”として拾われる情報を揃える重要性が増します。一方で、個人データの活用には不安も伴うため、透明性が担保されない企業は選ばれにくくなります。Googleは完全オプトインやオン/オフ切替など「選択とコントロール」を重視した設計を説明しており、生活者の目線は今後さらに厳しくなるでしょう。中小企業にとっては、短期的に機能を使えるかよりも、信頼を損なわない情報提供とデータ取扱いが競争力になります。

経営者の視点

この流れで強いのは、派手な施策より「基本が整っている会社」です。具体的には、①商品・サービスの仕様、料金、条件を明確に書く、②購入後の流れ(納期、サポート、返品)を丁寧に示す、③プライバシーポリシーや問い合わせ窓口を分かりやすくする、の3つです。加えて、AIが誤解しにくいよう、よくある質問を“短いQ&A”で並べたり、比較表で違いを整理したりすると、提案されやすく、来訪後の納得感も高まります。個人データ時代のマーケは、信頼の積み上げが最大の近道です。

参考リンク

ネットショップ担当者フォーラム:Google「フォト」「Gmail」データから商品を自動提案する新アプローチ「パーソナルインテリジェンス」とは?

まとめ

1月21日〜1月27日の動きを振り返ると、キーワードは動画・AI・顧客データの3つです。広告面が広がる一方で、集客の入口はAIに寄り、購入後のコミュニケーションも標準機能化が進んでいます。

経営者としては、まず①「計測できる状態」を先に作る、②施策を増やすより「勝ち筋の型」を1つに絞って回す、③仕様・条件・データの扱いを明確にして「信頼を損なわない発信」に整える、の3点を優先すると失敗しにくいです。

大きな投資をしなくても、できる改善は多いです。まずは自社の導線を棚卸しし、1つだけ検証を始めてみてください。

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