マーケティングニュースまとめ(2025年5月28日〜6月3日)
マーケティング分野において、2025年5月28日から6月3日にかけて日本国内で発表・報道された注目ニュースを5本ピックアップしました。それぞれ信頼性の高いメディアから選んだもので、中小企業の経営者に有益となりうる内容です。デジタル広告の新サービスや、集客に役立つプラットフォームの機能追加、限られた人員でマーケティングを行う企業を支援するサービス、そしてマーケティング戦略に関する最新トレンドなど、幅広いトピックスを網羅しています。以下では各ニュースの概要と中小企業にもたらす影響、経営者の視点をまとめます。
1. NTTタウンページ、月額5万円からの成果重視型Web広告サービス提供開始
概要
NTTタウンページ株式会社は5月29日より、中堅・中小企業向けの新たなWeb広告運用サービス「まかせて繁盛WEB広告」の提供を開始しました。月額5.5万円(税込)から利用でき、NTTタウンページ側で広告媒体の選定から予算配分、運用・効果改善まで一括して代行する“完全おまかせ”型の集客支援サービスです。自社サイトのランディングページ制作やSEO改善も含めワンストップで対応し、専門資格を持つ担当者が成果最大化を図るとしています。
中小企業への影響
デジタル広告の専門知識や人手が不足している中小企業でも、低コスト(月額5万円台)で本格的なWebマーケティング施策を始められる点は大きなメリットです。広告運用だけでなくサイト改善まで任せられるため、ネット集客に踏み出しやすくなり、オンラインでの売上拡大を狙う企業にとって有益なサービスと言えます。またNTTグループ提供という信頼感から、初めてデジタル広告に挑戦する中小企業でも導入しやすいでしょう。
経営者の視点
経営者にとっては、「完全おまかせ」でプロに任せられることでマーケティングに割く時間を本業に集中できる利点があります。一方で、サービス利用時には自社の商品・サービスの強みやターゲットを明確に伝え、提供されるレポートや提案に目を通す姿勢も重要です。外部に任せきりにせず、成果を一緒に確認し改善を重ねることで、より効果的な集客につなげることができるでしょう。
参考リンク
デジタルマーケティングを強化!月額5万円から始められる完全おまかせ型WEB広告「まかせて繁盛WEB広告」を5/29より提供開始
2. Googleビジネスプロフィール、ぐるなび等と連携しクーポン表示を開始
概要
5月28日、グルメサイト「ぐるなび」を運営する企業がGoogleビジネスプロフィール(Googleマップ上の店舗情報)との連携開始を発表しました。これにより、ぐるなび加盟店のクーポン情報(通常クーポンやランチクーポン)が店名検索時の店舗情報パネル上に直接表示されるようになります。同様に「食べログ」や「ヒトサラ」といった他のグルメサイトのクーポンもGoogle上で表示されることが確認され、日本では初めて外部サイトのクーポンがGoogleビジネスプロフィール上に掲載される機能となりました。
中小企業への影響
特に飲食業など店舗ビジネスの中小企業にとって、集客面で大きな変化となる可能性があります。ユーザーがGoogleで飲食店を検索した際に、お得なクーポンがその場で目に入ることで、来店動機を直接刺激する効果が期待されます。例えば近隣で「ランチ 渋谷」などと検索したユーザーが、クーポン情報を見て「この店に行ってみよう」と衝動的に来店するケースも増えるかもしれません。中小の飲食店は、自店が加盟するプラットフォーム上でクーポンを適切に発行・更新することで、この新機能を集客増加につなげられるでしょう。
経営者の視点
店舗経営者にとって、自社のクーポン情報が主要な検索プラットフォームで露出するのは大きなチャンスです。これまでチラシや自社サイトで発信していた割引情報を、ぐるなびや食べログ経由でGoogleにも表示できるため、オンライン上の販促効果が高まります。ただし、魅力的なクーポン内容であることや、頻繁な更新による最新情報の維持が重要です。経営者はクーポン利用後の顧客フォロー(再来店促進)も含め、クーポン戦略全体を見直す好機と捉えるべきでしょう。
参考リンク
Googleビジネスプロフィールに「ぐるなび」「食べログ」「ヒトサラ」のクーポンが表示開始
3. オンライン秘書サービス「フジ子さん」、Webマーケティング専門チームを発足
概要
オンラインアシスタントサービス「フジ子さん」を運営するBPOテクノロジー株式会社は、2025年6月1日付でWebマーケティング支援に特化したエキスパートチームを新設しました。近年のデジタル化やコロナ禍後の消費行動変化を受け、多くの企業がオンラインでの集客強化を迫られる中、中小企業・スタートアップでは限られた人材で継続的にWebマーケティングを行うことが難しい状況があります。この課題を解決するため、「フジ子さん」の新チームではSNS運用やWeb広告、コンテンツ制作、メール配信設定など日々のマーケティング実務を代行・支援し、人手不足に応えるサービス提供を開始しました。
中小企業への影響
専任のマーケ担当者を置けないような小規模企業でも、外部のオンラインアシスタントを活用して専門的なマーケティング施策を継続できるようになります。例えば、SNS投稿の計画・実行や広告の運用改善、メルマガ配信といった手間と知識が必要な業務をプロに任せられることで、マーケティング活動の質と頻度を維持・向上できるでしょう。結果として、自社内リソース不足による機会損失を減らし、売上や顧客接点の拡大につなげることが期待されます。
経営者の視点
人手不足でマーケティングに十分取り組めていない企業の経営者にとって、このようなサービスは強力な助っ人となり得ます。費用対効果を見極めつつ、まずはキャンペーン価格が提供される2025年末までのお試し利用も検討すると良いでしょう。経営者は、アウトソーシングする業務範囲や優先順位を明確にし、オンラインアシスタント側とのコミュニケーションを密に取ることで、自社のマーケティング目標に沿った成果を出しやすくなります。
参考リンク
オンラインアシスタント「フジ子さん」2025年6月からWebマーケティングエキスパートチーム発足
4. シンクムーブ、少人数マーケチーム向け伴走支援サービスを開始
概要
マーケティング支援を手掛けるシンクムーブ株式会社は、少人数の企業内マーケティングチームを対象に、週2時間のオンラインセッションで戦略立案から実行までを支援する新サービス「インハウスマーケティング共創支援」を5月28日に正式リリースしました。生成AIの進化やデータ分析ツールの高度化により、従来のようなマーケ業務の丸ごと外注では成果が出にくいケースも増えています。そこでプロのファシリテーター(AI・SEOにも精通した専門家)が企業と一緒に「課題の問い」を整理し、対話を通じて解決策を共創することで、停滞しがちなマーケティング施策を前に進める伴走型の支援を提供するものです。
中小企業への影響
社内にマーケ担当者はいるもののノウハウが不足していたり、施策が思うように成果につながっていなかったりする中小企業にとって、有益なサービスです。単なるコンサルティングと異なり、実務レベルで週ごとに伴走支援を受けられるため、PDCAサイクルを速めて改善を回せます。特に最新のAIツール活用やSEO戦略について自社に知見がない場合でも、専門家の力を借りながら自社メンバーのスキル向上と成果創出を両立できる点が特徴です。
経営者の視点
経営者にとっては、自社チームの成長と成果創出を同時に促せるアプローチとして注目できます。完全に外部委託するより社内ノウハウが蓄積し、人材育成にもつながるため、中長期的なマーケティング力強化につながるでしょう。一方でサービス導入には一定のコストがかかるため、現状のマーケ課題が明確で伴走支援による改善余地が大きいかを見極める必要があります。支援を受ける際は経営層も定期的に進捗報告を確認し、戦略と成果が合致しているかチェックすることが重要です。
参考リンク
週2時間の共創型R&D支援「インハウスマーケティング共創支援サービス」を正式リリース
5. シニア顧客のLTV最大化、最新トレンドをまとめたレポート公開
概要
シニア層をターゲットとするマーケティングの最新動向をまとめた無料レポート(2025年6月版)が6月3日に公開されました。このレポートでは、高齢顧客のLTV(顧客生涯価値)を最大化するためのポイントが最新トレンドや事例とともに紹介されています。シニア世代は健康食品・介護用品・旅行・趣味などへの関心が高く、消費行動が非常に慎重である一方、信頼できる商品やサービスには長期的に継続利用する傾向が強いことが指摘されています。
中小企業への影響
シニア顧客を抱える企業にとって、LTV向上は売上安定や収益性向上の鍵となります。既存顧客の維持コストは新規獲得より低く抑えられるため、シニア層にリピート利用してもらう戦略は中小企業でも採用しやすいでしょう。
レポートで紹介されているLTV向上の主なポイント:
- 製品・サービスの品質を一貫して高水準に保ち、現実的な期待値を設定する
- 購入後の手厚いフォローやサポート体制を整え、顧客満足度を向上させる
- 定期購入プランや会員制度、特典キャンペーンを活用して顧客との関係性を深め、リピート購買を促進する
経営者の視点
シニア市場を狙う経営者は、短期的な売上よりも顧客との長期的な関係構築に軸足を置く必要があります。今回公開されたレポートの内容を踏まえ、自社のシニア顧客のニーズや購買傾向を改めて分析し、顧客満足度を高める施策(アフターサービスの充実やコミュニティづくり等)に注力すると良いでしょう。また、高齢顧客からの口コミ紹介は新規顧客の獲得にもつながるため、満足度向上施策が新たな顧客開拓にも波及する点を意識し、マーケティング戦略を立案することが重要です。
参考リンク
シニア層マーケティング|LTVを最大限に高めるための最新トレンド・事例紹介レポート
まとめ
以上、直近1週間(5月28日〜6月3日)のマーケティング関連ニュース5本を振り返りました。デジタル広告やSNSといった手法の活用、新しい支援サービスの登場、そして顧客層別の戦略見直しなど、中小企業のマーケティング活動に役立つヒントが多数見られます。経営者の皆さまには、自社の状況に合わせてこれらのトピックから示唆を得ていただき、今後の販促・集客に活かしていただければ幸いです。マーケティングの環境変化は速いため、引き続き最新情報にアンテナを張りつつ、柔軟に戦略をアップデートしていきましょう。